@ナトリウム:
簡単に言うと食塩の事です。食塩はナトリウムと塩素から成り立ち、細胞内の水分や浸透圧の調整などを主な役割としています。ほとんどの食材に微量含まれているので、摂取する様に気をつける栄養素ではなく、摂取しないように気をつける栄養素かと。
Aカリウム:
カリウムはナトリウムとバランスを保つ事により、細胞を正常に保つ役割をしています。ナトリウムポンプって言葉を高校生物を取ってた方は知っているかと思います。あれって、ATP(アデノシン三リン酸)エネルギーを使用して、ナトリウムを細胞外に出し、カリウムを細胞内に取り込む能動作用の事でしたよね。ナトリウムポンプ作動の為には、カリウムが必要です(笑)取りすぎでも悪影響は無いらしいです。カリウムを多く含む食材は、バナナ、アボガド、ほうれん草、まぐろ、大豆などです。
Bカルシウム:
カルシウムは99%が骨や歯になり、残りの1%は血中に留まります。この1%が減ってくると、骨を破壊してカルシウムを取り出し、血中の方に回し、血液凝固などの役割をしてもらうようです。つまり、足りなくなってくると、血液の方に回す為に骨が減ってしまうんですねー。だから、不足しないようにしておく事が大事です。また、カルシウムは前にも書いたように、リンやマグネシウムとバランスを保たなければいけません。生食ではカルシウムが足りなくなる事はあまり無いと思いますが、リンやマグネシウムとのバランスは結構崩れがちかと思います。カルシウムは中・大型犬にとっての大敵、股関節形成不全を助長する事が
臨床で分かっていますが、自然物質で摂取する分には気にする事も無いようです。吸収できない分は、出てしまいますもんね。(白いウンPで)カルシウムを多く含む食材は、骨(笑)、小魚、ヨーグルト、海草、大豆、豆腐などの大豆製品です。
UP
Cリン:
肉類にはカルシウムが少ない割に、リンが多い!その為、栄養素を計算すると、生食派の悩みの種となってしまうのがカルシウムとリンのバランス。理想的なバランスは、Ca:P
=
1:1なんですけど、計算すると1:2以上になってたりします(涙)BARFなどで言われているバランスとして、骨と肉のバランスを1:1にすると、Ca:Pも理想値に近づくという話があります。骨と肉を1:1にすると、成長期でない限り便がかなーり硬くなってしまう上に、吸収されないCaがかなり排出される気がするんですけどね。我が家では、便が真っ白になってしまわないギリギリの量の骨とグラムで言えば1.5倍の肉で献立を作ってます。この場合だと、どうしてもリンの方が高くなってしまうので、
海草でCa量を調整しています。
リンを多く摂取しすぎてしまう場合、卵殻を食餌に混ぜてやるようにしています。卵殻には炭酸カルシウムが含まれていて、炭酸カルシウム自体を摂取すると言うよりも、炭酸カルシウムによって過剰なリンを吸着し、排出する事を目的にしています。
ちなみに主な食肉のCa:Pの割合を載せておきますので、参考にしてください。数値は骨を含まない数値なので、Ca値は骨と一緒に消費する事によって上昇します。
鶏肉
- 手羽先:Ca:P =1:10
- 胸肉:Ca:P =1:35
- モモ肉:Ca:P = 1:26
- ささ身:Ca:P =1:25
- レバー:Ca:P =1:60
牛肉
- 肩/リブロース赤身肉:Ca:P = 1:45
- モモ赤身肉:Ca:P = 1:50
- レバー:Ca:P = 1:66
馬肉
ラム/マトン
- ロース肉:Ca:P = 1:12〜1:24
- モモ肉:Ca:P = 1:28〜1:35
と言うような感じです。全体的に見てレバーは極端にリンの値が高いです。ビタミンのところを見ても、レバーが素晴らしい食材なのは大いに納得なのですが、如何せんリンが凄いので上手に付き合っていこうと思います。
Dマグネシウム:
マグネシウムもカルシウムと一緒に骨の形成に重要な役割を持ちます。カルシウムとマグネシウムの理想的なバランスは、1:2と言われていますが、こっちは腎臓疾患を持っているワン以外、過剰摂取を気にする必要はあまり無いと思います。しかも、リンとは違い食肉内のCa:Mgのバランスもそこそこ取れています。(以下参照)マグネシウムを多く含む食材には、魚介類、海草などがあります。
鶏肉
- 手羽先:Ca:Mg =1:1
- 胸肉:Ca:Mg =1:5
- モモ肉:Ca:Mg = 1:3
- ささ身:Ca:Mg = 1:3
- レバー:Ca:Mg = 1:4
牛肉
- 肩/リブロース赤身肉:Ca:Mg = 1:5.5
- モモ赤身肉:Ca:Mg = 1:6
- レバー:Ca:Mg = 1:3
馬肉
ラム/マトン
- ロース肉:Ca:Mg = 1:2〜1:3
- モモ肉:Ca:Ca:Mg = 1:4〜1:5
UP
E鉄:
鉄は血中の赤血球形成に必要な成分であり、酸素と結合して体内に酸素を循環させる運搬の重要な役割があります。良く聴く話ですが、欠乏すれば貧血になります。普通の食事で過剰摂取になる事は
あまり無いミネラルです。鉄を多く含む食材には、レバー、魚介類、緑黄色野菜などがあります。
鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、肉や魚介類にのみ含まれるのがヘム鉄で、野菜や卵に含まれるのが非ヘム鉄です。このうち、ヘム鉄の方は吸収がよいのですが、非ヘム鉄の方は吸収があまりよくないので、肉や魚介類からの摂取の方が好ましいと思います。
F亜鉛:
亜鉛はホルモンと関係の深いミネラルで、欠乏すると味覚障害を起こす事があるそうです。魚介類、肉、海草に多く含まれます。これも過剰摂取を気にする必要はあまり無いと思います(サプリ使用しない限り)。
G銅:
銅は鉄分と連携してヘモグロビンの生成に携わります。どちらかだけでも不足すれば、ヘモグロビン生成は出来ないので、貧血になってしまいます。銅はレバー、肉、木の実などに多く含まれます。
Hマンガン:
マンガンは骨の形成、蛋白質、糖質、脂質のエネルギー変換に必要とされるミネラルです。微量しか必要ありませんので、普通の食事をしていれば滅多に欠乏はしないと思います。多く含む食材は、大豆などです。